先般の東日本大震災により、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、犠牲となられた方々のご冥福をお祈り致します。また、被災者の皆様および被災地における情報サービス産業の一刻も早い復興をお祈り申し上げます。
被災地では電気や水道、道路等の生活インフラの早急な復旧が望まれる中で、情報がないことが最も不安という声も多く聞かれました。情報サービスの重要性を再認識するとともに、インターネットの役割の大きさを実感しました。
震災直後、電話が通じない中で、ミニブログサービスを通じてユーザ同士が災害状況を報告しあったり、ソーシャルネットワークサービスを利用して安否を確認するケースがありました。モバイル各社による安否情報の確認サービス、救援物資の受付をするサイト、義援金を集めるサイトなど、さまざまな支援活動がウェブ上に短期間で立ち上がったことは、災害時に必要な「迅速性」という面において、インターネットの有用性を感じさせるものでした。
一方で、根拠のない情報がチェーンメールによってまたたく間に広がったり、義援金募集を語る詐欺サイトが現れたりと、その課題も浮き彫りになりました。
さて、震災が発生するまでの2010年度は、世界経済がようやく立ち直りつつある状況であり、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスの普及、ソーシャルネットワークサービスの流行など、インターネットをめぐる新しい動きが顕在化した時期でした。HiBiSにおいても、これらの状況を踏まえた上で、クラウド・コンピューティングを共通のテーマとし、ビジネスモデル、スマートフォン、クラウド環境におけるセキュリティ、オープンソースをテーマにした合計5つの部会を中心に活動を行いました。
イベント関連では、11月に開催された情報化シンポジウムの中で、技術セミナーとして、クラウド・コンピューティングおよびスマートフォンに関するセミナーを主催しました。また、モバイルソリューション部会は(社)広島県情報産業協会技術委員会と合同で、「スマートフォンであったら楽しいアプリ」の検討を行いました。
2月に開催した「第14回HiBiSインターネットビジネスフォーラム2011」では、日本Androidの会 丸山会長をお招きして、クラウドデバイスとしてのAndroidの可能性と、これからの日本の目指す方向性について提言をいただきました。優秀ビジネス事例発表では、10件の投稿原稿から選出された5件の発表がありました。
以上のように、HiBiSは地元広島においてインターネットビジネスの活性化、優良なビジネスモデル企業の発掘に積極的に取り組んでまいりました。今後も、広島におけるインターネットビジネスを牽引する意気込みで活動を充実させてまいります。皆様のさらなるご協力とご支援をお願い申し上げます。
【参考資料(これまでの歩み)】
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(平成 8年度)
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HiBiSを10月に立ち上げました。また、第1回目のインターネットビジネスフォーラムを実施しました。内容は、プロバイダー活動、インターネットカフェ、ホームページ事例等まさにインターネットの始まりの年です。メンバーの個人メールアドレス保有はかなり低い状況でした。
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(平成 9年度)
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「イントラネットフォーラムin広島」を開催しました。企業内でのインターネット技術の浸透が始まった年です。広島大学の椿先生に「インターネット社会の憂鬱-憂鬱の解消にビジネスチャンス-」のテーマで記念講演をお願いしました。
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(平成10年度)
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ECシンポジウムを開催しました。EC(電子商取引)の実質的な展開が始まった年です。インターネットセキュリティの議論も出始めました。衛星インターネット、モバイルインターネットの言葉も出てきました。
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(平成11年度)
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Y2K問題に揺れた平成11年度は、後半に入ってインターネットバブルと呼ばれるネット関連株の暴騰に沸きました。日本におけるインターネット世帯普及率も20%超との調査結果もあり、米国に遅れてはいますが、インターネットビジネスの全面的な発展が始まったようです。
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(平成12年度)
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広島県の情報トライアングル実験に参加しました。行政のインターネットへの取り組みが具体化した年といえます。インターネットトレードが盛んになり、マーケットプレースの取組みが活発化してきました。インターネットが本格的にビジネスの道具になってきました。
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(平成13年度)
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IT(情報技術)の言葉が氾濫し、IT=インターネットが益々企業の業務プロセスに組み込まれてきました。インターネットビジネスフォーラムの投稿内容も高度化し、ビジネスの試みから、実ビジネスとしての展開に変わってきました。「ITは水や空気のような存在になる:ビル・ゲイツ」の言葉が現実味を帯びてきました。
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(平成14年度)
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ブロードバンド元年と言われ、インターネットのサービス内容が高度化した年といえます。銀行の不良債権処理が進み始め、景気も底を脱したとの認識がでてきました。HiBiSの活動は「ブロードバンド」、「ネットワークセキュリティ」、「認証」、「ビジネスモデル」、「電子商取引」等のキーワードを中心に展開しました。
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(平成15年度)
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ブロードバンドの普及が急速に進んだ1年でした。ほんの少し前まで、日本のインターネット接続料の高さが新聞雑誌等で指摘されていましたが、現在では世界で最も安い料金になったといわれています。それと並行して、携帯電話のサービスが向上し、携帯上のホームページを利用したサービスが一般化してきました。インターネットを活用したビジネス環境が完全に整ったといえます。
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(平成16年度)
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ユビキタス社会の進展する中、Suicaに見られるICカードの利用拡大に伴い、電子マネーEdyやお財布携帯の話題が絶えなかった1年、各部会はそれぞれのテーマ別に部会における研究を行うとともに、社外講師を招聘してミニ講習会を開催し、先進的なインターネットビジネス事例の研究を行ってきました。
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(平成17年度)
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次世代ネットワークの実証実験が始まり、Web2.0の言葉とともに新しいインターネットのビジネスシーンが出現してきたようです。SNS/ブログが広く普及した年でもありました。また、ICカード利用部会が広島県下の大学の学生証ICカードの標準化の取組を始めました。
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(平成18年度)
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「広島県内で共通で利用出来るICカード学生証」の仕様を取りまとめることができ、本年度は提案仕様に基づくICカード学生証導入を2大学が決定しました。HiBiSが社会的な意義のある仕事を完成させました。
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(平成19年度)
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これまで取り組んできたICカード学生証に関する活動について、教育ネットワーク中国のICカード委員会へと引継ぎ、HiBiSの成果を外部に展開することができました。また、中国情報通信懇談会より、地域の情報通信における普及と発展に貢献したことが評価され、表彰を受けました。
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(平成20年度)
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「Web2.0」に代わり、「クラウド・コンピューティング」という概念が話題となりました。島根県ゆかりのプログラム開発言語Rubyを普及させる動きが中国地方を中心に見られ、HiBiSでも各種セミナーやイベントを開催しました。
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(平成21年度)
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コンピュータ&ネットワークEXPO’09において、HiBiSの活動内容を中心に展示しました。また、インターネット技術に関する国際会議IETFにちなんだパネル展示を担当しました。
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